監修 名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科学/小早川整形リウマチクリニック 永井 薫 先生
自己注射を行う際に、注射の痛みが気になるという方は多いと思います。
痛みを和らげ最小限にするには、自己注射のためのガイドブック等に紹介されている通り自己注射を行うことが大切です。
シンポニー®は冷蔵庫で保管していますので、注射する前に冷蔵庫から出し、室温で、平らな場所に少なくとも30分置いてから注射しましょう。注射のし忘れに注意してください。心配な方はアラームやタイマーを利用するとよいでしょう。
また、小さなお子さんがいらっしゃる場合は、室温に戻す際、お子さんの手が届かない場所に置いてください。注射のし忘れがないように、アラーム等タイマーを利用するとともに、置く場所も決めておくとよいでしょう。
主治医とご相談の上、適切な部位に注射しましょう。シンポニー®を自己注射する方は、オートインジェクターの場合は下腹部または太ももの前部から選んでください。皮下脂肪の薄い部位は避け、皮下に注射が可能となる部位を選んでください。皮下脂肪が少ない(痩せた)患者さんの場合は、下腹部へ注射してください。
シリンジの場合は、下腹部、太ももの前部、腕の後ろ側から選んでください。なお、腕の後ろ側に注射する際は、介護される方などに注射してもらう場合に選択可能です。
注射部位を選んだら、手を石鹸と流水でよく洗い、清潔なタオルで手をふいてください。続いてアルコール消毒綿で注射部位をふいて、乾燥するまで待ちます。針を刺す部位を中心に、外に向かって円を描くように、広めにふきましょう。消毒した後は、注射部位に触れたり、風をあてたり、息を吹きかけたりしないようにしましょう。
ここで注意していただきたいのが、消毒用アルコールによるかぶれです。アルコールに過敏な方はアルコール綿を使うと皮膚が赤くなったり、腫れたりすることがあります。初めて注射をするときはアルコールに過敏な体質かどうかを確かめるため、下腹部を消毒した後に、少し時間を置いて皮膚に変化がないかなどを確認しましょう。かぶれる場合は、アルコールを含まない消毒綿を使用します。かかりつけの医療機関で相談してみてください。
手洗いや注射部位の消毒は、自己注射に慣れてくるとつい適当になりがちです。しかし、継続的に安全に自己注射するため、注射前の準備についてもきちんと行うことが大切です。